Welcom to Zenninji temple

善仁寺ウェブサイトをご訪問くださり、ありがとうございます。
文京のまち、小石川にある善仁寺です。マンションや会社、近くには東京ドームという街中ですが、とてもお寺が多いまちです。
京都や鎌倉などのごく観光寺院を除けば、ほとんどが一般寺院です。善仁寺もまた数多くある寺院のひとつです。
現代において、寺院をとりまく環境は非常に厳しい状況にあります。
特に都市部においては儀式の簡略化や、宗教への無理解は、社会的風潮として肯定化されつつあります。
「他力真実のむねをあかせるもろもろの聖教は、本願を信じ、念仏をもうさば仏になる。そのほか、なにの学問かは往生の要なるべきや」(歎異抄)
このような教えを私たちは常にせせら笑いとばすほどに、生活の中から念仏は消えてしまっています。
それは、現代に生きる私たちの死生観の変化と無関係ではないでしょう。
戦後、豊さを極大化することを求め続けた歩みつづけてきました。しかし、人間はどれほどに豊かになったといえましょうか。
むしろ虚しさの闇は深く、面々とつながってきた命を担っている私自身の生も、未来の衆生への願いも全く見えない。
ここに私たちは立ち止まって、自己を顕かにするときを迎えているのではないでしょうか。自己を顕かにするとは、生まれてきた意義、すなわち根源を訪ねることに他なりません。
「南無阿弥陀仏」を通して、親鸞聖人は私たち一人一人が自己に目覚める道程を顕かにしてくださったのです。

この善仁寺にご縁をいただきまして、住職を勤めさせていただく中で、多くの方々と出遇うことができました。
その中で感じさせていただきましたことは、念仏とは高度な仏教哲学を理解する云々ではないという、生の実感であります。
そして、忘れがたいご門徒の方々とのお別れもございました。本当に自分は真の意味でその方に出遇っていたのか、共に歩んでいたのか。
まだまだ共に念仏を聞きながら、自問自答の日々であります。

訪れる方にとって、善仁寺が安心して快適な環境となるよう今後も全力で取り組む所存です。
法を聞く「聞法(もんぽう)」の場の創造にも積極的に努めてまいります。

お念仏の教えを学び、仏事を通して、皆様と共に学ばせていただきます。

               善仁寺住職
                  釋 紹満